知るひとぞ知る、クリエイター達のシェアオフィス・ハウスの「パブエンジェル」の最後を撮ることになりました。

ここを通った人、出会った人、起こった仕事、イベントや音楽は数知れず。

年々膨らんで行く、忘年会の参加人数。とにかく多くの人に愛された場所。

私の写真館も、ここで話しながら形になっていったので、個人的にも思いが強い場所。みんな無くなってしまうのがさみしい場所。

「引っ越しを考えてはいるんだよねー」と聞いたのは多分1年以上は前。でも、まさか解散するとは思ってませんでした。

でも写真を撮ってみると、わかる。すっと立つみんなが、なんだか場所とぎこちない気がしました。なんだろう、この感じ。

言葉が正しいのかわからないのだけど、みんなが成長してしまった。

その場の可能性よりも本人たちのほうが大きくなってしまって、どうもなんだかぎこちなく、おさまらなく見えたのです。

さみしい、さみしいと言いながら家具を運び、ゴミを出してからっぽになっていく部屋。なんだか撮っていて切なすぎる。。。

きっとこのまま、ここで変わらず仲良く、もちろんやれたはず。人は増々集まり、賑やかなのは間違いない。でもみんなは独立を決めたのでした。

腐った果物が樹から落ちるように自然とやってきたこの流れを、意思の力で押しとどめることももちろんできるのだろうけど、それぞれに伸びてみようとする芽を、ぎゅっと閉じ込めて曲げてしまうことになるのかもしれないなぁ。

どうせ来るなら先延ばしせず、粛々と進めないとだめなこともあるんだな。

そんなことを思いながら、とにかく撮りこぼさないように撮影を進めました。

みんなが個人のアトリエやオフィス、住居に移ってしばらくしてから、久々に顔を合わせての納品。

歓声と共に、じっと動きが止まってしまうのを見ながら、これを飾ってとは言えないなと思っていたら、「またこういうの、この並びで撮りたいね」と。

「大丈夫。さみしいけど、慣れていくから。みんなの家、回っていこうよ」

撮影日:2014年 1月26日
場所:パブエンジェル

忘年会、またここでしたいねと盛り上がって、少し救われました。